前職では銀行の窓口を担当しており、いらっしゃる司法書士の方とお話する機会の中で、なんとなく仕事のイメージを持っていました。一方で、投資信託や保険商品のノルマには葛藤もあり、「これは本当にお客様のためになっているのか」と問いながら働く日々もありました。転職を決めた時は、絶対に司法書士の仕事をしたいと決めていたわけではなく、まずは事務職として自分が興味を持てる場所を探していました。
その中で出会ったのが、トラストの求人でした。「詳しい知識がなくても活躍している人が多い」と書かれていたこと。さらに「ご高齢の方に生活費をお届けに行く」「お誕生日には面会する」といった一文を見て、「司法書士の仕事って、こんなふうに人に寄り添う部分もあるんだ」と驚いたのを覚えています。難しい法律の仕事だけではなく、“人と向き合う仕事”でもあると感じられたことが、入社の決め手になりました。
入社からずっと、成年後見業務を担当しています。判断能力が低下した方の財産管理や生活支援を行う制度ですが、制度を使うことで助かる方がいる一方で、ご本人にとっては制約が増える側面もあるため、ご家族や関係者の皆さんへも丁寧に説明することが大切です。具体的には家庭裁判所への報告書類作成や、生活費のお届け、施設での介護会議への参加など。一般的な事務職のイメージとは少し違って外出も多く、現在は40名ほどを担当しています。
事務所全体では約130名の方を後見人としてサポートしており、施設の方から「ここまでされる事務所さんは珍しい」と言われることもあります。入社前は「士業=黙々と書類に向かう静かな職場」というイメージでしたが、トラストは面接の時から明るく、「今日こんなことがあってさ」と日常会話の延長で困りごとを相談できる空気が、私にはとても合っていました。
成年後見業務のやりがいは、ご本人の生活が少しずつ整っていくのを実感できるところです。お金の管理が難しく、電気や水道が止まっていた方が、支援を重ねるうちに落ち着いた生活を取り戻されていく。「ありがとう」と直接いただける瞬間は、何度経験しても大きな励みになります。
入社して半年ほどで担当を持った大きな案件では、相続も絡む複雑な手続きが続きました。「わからないことは抱え込まずに周りに聞く」「深く考え込みすぎない」。そんなチームの空気に支えられ、約2年かけてやり切った時は、自分自身も少しずつ強くなれた気がします。
後見人は、その方が亡くなるまで長くお付き合いしていく仕事です。たとえご本人のお気持ちとすれ違う場面があっても、丁寧にお話を伺うと、最後は穏やかに「ありがとう」と電話を切ってくださる。今後はより複雑な案件にも対応できるようになりたい。この仕事で得た知識は、自分や家族の人生にも必ず役立つはずなので、長くこの分野を深めていきたいと思っています。

